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【図解】食品工場の配管の種類と選び方|衛生性・材質・接続方法を解説

食品工場の配管・ホース・継手・バルブの構成イメージ

食品ホースの選定条件を詳しく見る

食品ホース特集 使用温度・搬送方法・継手の条件から確認できます ▶

食品工場の配管は、液体や原料を移送できればよいだけではありません。食品に接触するか、どのように洗浄するか、温度や圧力はどの程度か、どの規格で接続するかまで確認して、配管・ホース・継手・バルブ・パッキンを組み合わせる必要があります。

この記事では、食品工場で使われる配管資材の役割と、現場条件から選ぶ順番を解説します。個別の配管径や耐圧の設計計算ではなく、購入・見積もりの前に整理したい選定条件に焦点を当てます。

食品工場の配管で確認したい衛生性と洗浄性

配管を選ぶときは、配管本体だけでなく、継手・パッキン・バルブを含むライン全体の洗浄性と点検性を確認します。食品や飲料に接触するラインでは、汚れが残りやすい箇所や、分解して状態を確認する必要がある箇所を想定しておくことが大切です。

厚生労働省は、HACCPに基づく衛生管理において、必要に応じて清掃・洗浄・消毒などの具体的な方法を定めた手順書を作成し、実施状況を記録・見直すことを示しています。配管の種類そのものを指定するものではありませんが、設備を選ぶ際にも、現場で決めた洗浄・点検方法を実行しやすいか確認する背景になります。

出典:厚生労働省「HACCPに基づく衛生管理」(2021年6月1日付、確認日:2026年9月17日、)

タンクからポンプ、配管またはホース、バルブを経て充填機へつながる食品移送ラインの図

食品と接触するラインは、接続部まで含めて考える

直管だけを選んでも、ラインは完成しません。曲がり部分にはエルボ、径を変える箇所にはレジューサー、着脱する箇所にはヘルールやクランプ、流れを止めたり切り替えたりする箇所にはバルブが必要です。接続部の規格やサイズが合っていなければ、部材を追加購入してもつなげられません。

また、シールに使うパッキンは流体、温度、洗浄条件によって確認項目が変わります。配管だけで選定を終えず、接続部までを一つの系統として整理しましょう。

最初に押さえるポイント

  • 食品が接触するか、洗浄水・エアなどのユーティリティかを区別する
  • 洗浄時に取り外す箇所、目視点検する箇所を決める
  • 接続部を含めた規格・サイズ・材質の確認を行う

食品工場で使われる配管の種類

固定配管、可とう性が必要な接続、振動や位置ずれへの対応など、役割に応じて資材を使い分けます。ここでは、食品工場で検討することが多い配管資材を整理します。

配管材 主な部材名 主な材質 主なメーカー 主な役割 確認したい条件
サニタリー配管

サニタリー配管・継手・バタフライ弁・ボール弁

SUS304、SUS316、SUS316L

大阪サニタリー・協和ステンレス・フローバル

食品・飲料などを移送する固定ラインで検討する配管

接続規格、表面状態、洗浄方法、使用温度・圧力

食品ホース

サクション・デリバリーホース

シリコン・フッ素

トヨックス・ナガセルータック・クラレ

装置との接続、可動部、取り回しが必要な箇所

食品接触の可否、耐圧・耐熱、曲げ、吸引・圧送の別

フレキ管

ユニオン・フランジフレキ

FCMB・SS400・SUS304・SUS316・SUS316L

テクノフレックス・南国フレキ

振動、位置ずれ、熱による伸縮などを考慮する接続

可とう性、長さ、接続方式、使用条件

一般配管

白管、白ネジ継手、白溶接継手、プッシュ継手、ボール弁・ゲート弁

SGP、FCMB、青銅・黄銅

リケン・キッツ・フローバル

洗浄水、エアなどのユーティリティで検討する配管

用途、流体、耐圧、施工条件。食品接触の可否は個別に確認

蒸気配管

黒管、黒ネジ継手、黒溶接継手、グローブ弁、減圧弁、電磁弁・逃し弁

SGP、FCMB、FCD、青銅

リケン・キッツ・ベン・ヨシタケ・フローバル

加熱・温調用の蒸気を機器へ供給し、配管内で発生するドレンを適切に排出する配管。

蒸気の使用圧力・温度・必要量、配管・バルブ・接続部の耐圧/耐熱、ドレン排出、水分除去、接続規格を確認する。

ステンレス配管

ステンレス管・ネジ・溶接・拡管・プレス継手・ボール弁・ゲート弁

SUS304、SUS316、SUS316L

キッツ・オーエヌ工業・フローバル

食品・飲料などの製造ラインで、衛生性や洗浄性を考慮して使用する配管。接液部の表面仕上げを管理するサニタリー用途にも用いる。

鋼種、内面の表面仕上げ、接続規格、流体・洗浄液との材質適合、液だまりが生じにくい配管形状、使用圧力を確認する

※サニタリー配管の継手・バルブは食品業界ではSUS304が使われることが多い。ただし、腐食させたくないラインや流体によってはSUS316やSUS316Lが使われる。SUS316Lが一番グレードが高く、次いでSUS316、SUS304の順になる。価格も同様に高くなる。

※食品ホースは食品を流す場合は食品衛生法適合品を使うことが必須。当社では豊富に扱っております。

※フレキ管は接液部をフッ素やテフロン変更することが可能。

※ステンレス配管はユーティリティ、食品業界ではサニタリー配管を使わないが腐食させたくないラインに使われる

固定ラインにはサニタリー配管、可動部には食品ホースを検討する

設備の間を恒久的につなぐ場所では、サニタリー配管を中心に検討します。一方、タンクとポンプの接続部や、交換・取り外しの頻度が高い箇所では、食品ホースを使う方法があります。ホースを使う場合も、ホース本体だけでなく、ニップル、ホースバンド、ホースアダプターなどの接続部品までそろえる必要があります。

固定配管とホースのどちらか一方に統一する必要はありません。たとえば、タンクからポンプまでは取り外しやすいホース、ポンプ以降は固定配管という構成も考えられます。設備の更新時には、現在の配管ルートをそのまま再現するのではなく、清掃時の作業、保全時の取り外し、将来の設備増設まで見て、どこに可とう性や着脱性が必要かを整理しましょう。

フレキ管や一般配管は用途を分けて確認する

フレキ管は、ポンプなどの振動が伝わる箇所や、機器間の位置ずれを吸収したい箇所で検討されます。ただし、食品が接触するラインで使うか、洗浄水やエアなどのユーティリティに使うかによって、確認すべき仕様は変わります。一般配管も、工場内では幅広い用途がありますが、食品接触用途に使えるかどうかは、材質名だけで判断せず、対象商品と使用条件を確認してください。

食品設備.comでは、サニタリー/タンク/食品ホースのカテゴリに、サニタリー継手、バルブ、パイプ、パッキン、食品用ホースなどを掲載しています。必要な部材を確認する入口としてご利用ください。

出典:厚生労働省「食品用器具・容器包装のポジティブリスト制度について」(確認日:2026年9月17日)

https://syokuhinsetubi.com/pages/%E6%96%B0%E7%99%BA%E5%A3%B2-%E3%82%B5%E3%83%8B%E3%82%BF%E3%83%AA%E3%83%BC%E7%B6%99%E6%89%8B-%E3%83%90%E3%83%AB%E3%83%96

食品工場の配管の選び方|流体・温度・圧力・洗浄条件を確認する

配管資材は、商品名から探す前に、使う条件を順番に整理すると選びやすくなります。次の4項目を現場の図面や既設品、担当者への確認で洗い出しましょう。

食品工場の配管を選ぶ順番。流体、温度と圧力、洗浄条件、接続規格を確認するフロー図

1. 移送するものを整理する

水のように流れやすい液体か、粘度がある調味液やペーストか、固形物を含むかで、必要な配管径やホースの取り回し、バルブの選択は変わります。食品が直接接触する箇所では、候補商品の食品用途への適合を必ず仕様書で確認してください。

2. 温度・圧力・流量を確認する

移送時だけでなく、加熱工程、冷却工程、洗浄工程での条件も確認します。耐熱温度、最高使用圧力、吸引の有無、必要流量は、配管・ホース・継手・パッキンごとに確認が必要です。使用条件は部材のなかで最も条件が厳しい箇所に合わせて考えます。

豆知識

バルブ選定で確認する6項目

バルブは、流体だけで決めず、材質・圧力・温度・接続方式・サイズ・バルブのタイプをセットで確認します。選定条件は製品ごとに異なるため、最終的には使用条件と商品仕様を照合してください。

1 流体と材質

水、油、エア、蒸気、薬品など、流体に合う本体・シール材を確認します。材質の候補には、FC、CAC、FCD、SCPH、SCS(SUS)、PVCなどがあります。

2 圧力

使用圧力と圧力等級を確認します。5K、10K、20K、高圧用などの表記だけで判断せず、製品の最高使用圧力を確認します。

3 温度

通常運転時だけでなく、加熱・冷却・洗浄時の温度も確認します。温度条件は本体だけでなく、シートやパッキンにも影響します。

4 接続方式

ねじ、溶接(SW・BW)、フランジ、サニタリーなど、既設配管や機器側と接続できる方式を確認します。

5 サイズ

呼び径、配管径、接続部の寸法を確認します。異径の接続がある場合は、必要な変換継手もあわせて確認します。

6 バルブのタイプ

流れを止める、調整する、逆流を防ぐなど、目的に合うタイプを選びます。代表例は、ゲート弁、グローブ弁、スイングチャッキ弁、ボール弁、バタフライ弁、ダイヤフラム弁です。

※材質と使用条件の組み合わせは一律ではありません。食品に接触する箇所は、食品用途への適合を含め、必ず個別商品の仕様書で確認してください。

3. 洗浄方法と洗浄剤を確認する

分解洗浄を行うのか、ラインを接続したまま洗浄するのかによって、着脱のしやすさや部材の構成が変わります。洗浄剤や消毒剤を使う場合は、配管本体だけでなく、パッキンやホースの材質との適合も確認します。

洗浄工程を確認するときは、日常の洗浄だけでなく、定期的な分解・交換の作業も想定します。工具が必要な接続部はどこか、取り外した部品をどのように管理するか、再組立ての際にパッキンの向きやサイズを確認できるかまで整理しておくと、導入後の保全作業を進めやすくなります。

4. 設置場所と接続方法を確認する

狭い場所、曲げが必要な場所、振動がある設備の周辺では、直管だけで構成できない場合があります。既設設備につなぐ場合は、呼び径、接続規格、ねじ・ヘルール・フランジなどの接続方式を、現物表示や図面で確認しましょう。

生産品目や製造工程が変わる予定がある場合は、その変更後の条件も確認します。現在は問題なく使えていても、流体や洗浄条件が変われば、同じ部材を継続使用できるとは限りません。更新・増設の時点で、今後の運用も関係者に確認しておくと判断しやすくなります。

選定は「一番厳しい使用条件」で確認する

通常運転時だけでなく、洗浄時の温度・圧力や使用する薬剤も確認対象です。配管、ホース、継手、パッキンのうち、一部だけが条件を満たしていてもライン全体の適合にはなりません。

継手・バルブ・パッキン・ホースを組み合わせる

ラインを安全に使うには、配管本体と周辺部材の役割を分けて確認します。同じ「サニタリー用」とされる部材でも、接続規格やサイズ、材質、使用条件が異なるため、名称だけで組み合わせないことが重要です。

部材 役割 購入前に確認すること
継手

管と管、管と機器、異なる径の部材を接続する

接続規格、呼び径、接続方向、必要数

バルブ

流れを止める、切り替える、調整する

用途、流体、操作方法、接続方式、使用条件

パッキン

接続部の気密・液密を保つ

サイズ、形状、材質、温度、洗浄剤との適合

ホース接続部品

ホースと設備・配管をつなぐ

ホース内径、接続方式、固定方法、使用条件

規格とサイズを一つの表にまとめる

既設設備を更新する場合は、配管の外径だけで判断せず、接続方法も記録します。写真、図面、既設品に刻印された表示を用意すると、必要な部材を確認しやすくなります。枝管を増やす場合や、径を変更する場合は、エルボ、チーズ、レジューサーなども必要数を含めて整理します。

特に確認漏れが起こりやすいのは、接続の両端で規格や呼び径が異なるケースです。配管側、機器側、ホース側のそれぞれについて、どの部材で接続するかを一覧にします。途中で異径部材や変換用の継手が必要になる場合は、接続順を図面に書き出してから発注すると、部材不足を防ぎやすくなります。

サニタリー継手とバルブの品ぞろえは、サニタリー継手・バルブの特集ページでも確認できます。ご購入前には各商品の仕様と接続条件をご確認ください。

導入・交換前に確認したい点検項目

購入前に条件を整理しておくと、部材の選定漏れや接続ミスを減らせます。新設、増設、既設設備の交換を問わず、次の項目を確認しましょう。

配管資材の選定チェックリスト

  • 使用箇所と、食品に接触するかどうか
  • 移送する流体の種類、粘度、固形物の有無
  • 運転時・洗浄時の温度、圧力、流量、吸引の有無
  • 接続規格、呼び径、必要な長さ、設置場所
  • 洗浄方法、洗浄剤、分解・着脱の頻度
  • 必要な継手、バルブ、パッキン、ホース接続部品
  • 既設品の図面、現物写真、刻印・型番
  • 必要数量、希望納期、予備品の要否

厚生労働省が示すように、衛生管理は実施内容を定め、記録し、必要に応じて見直すことが基本です。配管資材の交換後も、現場で決めた洗浄・点検方法を実行できるか、管理手順と合わせて確認してください。

見積もり依頼時は、条件をまとめて伝える

必要な部材を特定できない場合は、問い合わせや見積もり時に、使用箇所、流体、温度・圧力、接続規格、必要数量、既設品の写真をまとめて伝えます。単に「食品工場用の配管がほしい」と伝えるよりも、確認に必要な情報がそろい、候補を絞り込みやすくなります。仕様が未確定の項目は、未確認であることも共有しましょう。

お問い合わせ

出典:厚生労働省「HACCPに基づく衛生管理」(2021年6月1日付、確認日:2026年9月17日、)

まとめ|食品工場に合う配管資材を選ぶために

食品工場の配管を選ぶときは、衛生性と洗浄性を、配管本体だけでなく接続部まで含めて確認します。固定ラインにはサニタリー配管、可動部や着脱が必要な箇所には食品ホースなど、役割に合わせて使い分けることが基本です。

次に、流体、温度・圧力、洗浄条件、接続規格を整理し、継手・バルブ・パッキン・ホース接続部品を含めて必要な資材をそろえましょう。詳細な適合条件は、必ず商品ページ・メーカー資料・設備図面で確認してください。

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※本記事は配管資材選定の一般的な確認項目を紹介するものです。個別の配管設計、耐圧・耐薬品性、法令・規格への適合は、設備仕様・商品仕様・メーカー資料をご確認のうえ判断してください。

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